みすみの八策
七、少子高齢人口減少社会に対応した新しい仕組みをつくるおかがき。
■おかがき町のいま
□子どもまんなか社会へ
『子育てにちょうど良い』。そんな声を聞きます。
新興住宅ができ、町外から岡垣町に移住する家族が増えています。
『おかがき、もうちょっとこうだったらいいのに』と思うことがあると思います。
その想いを行政に反映させることが町の政治です。
子育てをしやすい町は、人生の先輩たち、高齢者の皆さんにも、きっと笑顔をもたらす
まちになると考えています。
□ポストコロナを追い風に
コロナ渦を経た社会情勢の変化は、岡垣町にとって追い風となる可能性があります。
リモートワークの普及や比較的災害や感染が少ない地方に移住を希望する方が
増えていることを背景に、都市集中型社会から地方分散型社会へと移行して
いくのではないかと考えています。
おかがき町は、地の利を活かし、都心などからの移住希望者から『選ばれるまち』
となるための取り組みが求められます。
■現役世代の不安
□3つの不安
若者は、3つの不安があるといわれます。
①社会保障の不安 ②政治(社会)の不安 ③財政借金の不安
このことを裏付けるかのように、現役世代は、年金の納付期間が5年間延長されることが、
既定路線になりました。
さらに、受給開始は、75歳あたりまで延長され、年金受給額も減少していくことが
予測されます。
若者の不安を少しでも取り除くための制度設計を政府与党に求めますが、まちの政治で
取り組むべきことは、充実した制度を用意することで、その結果、住みたい、住み続けた
い、住んでよかったと思える施策に着手することです。
■おかがき町を持続可能なまちへ再構築
□2040年には26,000人
おかがき町の人口は、2040年には26,000人になると推測されています。
少子高齢人口減少が進む社会は、労働人口が減るなど、今までの住民サービスが
続けられるかどうかは不透明です。
□政治は、『将来を設計する』こと
そうした、社会構造にあって、『岡垣らしいしあわせ感』を求めるためには、
将来に対する備えをしていかなければなりません。
戦後の厳しい時代から、いまの日本を築き上げてきた人生の先輩たちに、
これからも安心して、健康に楽しく暮らすことができる年金、医療、介護制度の充実が
求めらる一方、『選んでよかったおかがき』『おかがきで子どもを産んでよかった』と
思える、切れ目のない子育て教育環境の整備が求められます。
政治は、『将来を設計する』こと。これから迎える『少子高齢人口減少の社会を
デザインする』ことです。
岡垣町に住む私たちが、よりよく住むことができるあるべきカタチに再構築し、
明るく元気な町の姿を求めていきたいと考えています。
■役場組織
□多様化する住民ニーズ
さまざまな住民サービスを担当するのは、役場の職員です。
職員の皆さんは、今後一層多様化する住民ニーズに対応していくことが求められます。
先ずは、公文書の管理を徹底することを前提に、行政サービスをデジタル推進し、
事務事業を減らすことにつながる取り組みを行い、役場、住民双方にメリットのある形を
作るべきと考えます。
□各課の連携強化
また、住民ニーズの多様化は、一つの課では対応が困難なことが増えてきます。
適材適所の人事配置を行うとともに、『課をまたいで』とか『各課横断的』と呼ぶような
対応が求められます。そのため、各課の連携が不可欠であると、私自身の体験を通しても
感じているところです。
また、住民のさまざまな要望について対応するにあたり、できない理由に触れる前に、
できる方法、方策を見つける努力を求めたい。そのためには、各施策について、
まちの政治を担当するリーダーが、可能な限り具体的な方向性を示していくことが必要と
考えます。
さらに、住民サービスの向上につながると考えられることから、まち、行政にとって
都合の悪い情報を取り上げた職員を評価する仕組みが必要と考えます。
■公共施設の見直し整備計画
□役場、東部中部西部公民館、小中学校、町営住宅など、まちのありとあらゆる施設が対象
今現在、何ら問題がないとしても、10年後、20年後に困ることが予測されるならば、
今から計画的に進めていかなければなりません。小学校の統廃合、公民館の統廃合などの
計画が盛り込まれています。
■小・中学校の安心・安全・よろこび
□通学路の安全確保
通学路の安全を確保できる歩道の充実、または、『事故があってからでは遅い』を念頭に、
目の前をイノシシが横切る環境から、子どもたちの安全確保のためにスクールバスを
走らせることなど、できる検討をすべきと考えます。
□制服改革
『岡垣中学校の制服改革』をしたい。
センスのよい色とデザイン、機能性を備えた制服は、生徒も保護者も喜びます。
例えば、ユニクロのスーツを採用している自治体もあります。
制服を納品する業者様と、しっかりと協議したうえで進めていくことが求められます。
■地域コミュニティのこれから
□リアルかバーチャルか
これまで、まちのコミュニティを主体的に担ってきた方々は、年齢を重ね、高齢に
なってきました。『そろそろ引退したい』『世代交代せんといかん』などの声があります。
岡垣町の地域コミュニティは、行政と住民の信頼関係で成り立ってきましたが、
社会構造の変化とともに永続的な展開が可能なのかは疑問です。
ボランティアでの存続が困難であるならば、予算措置をし、有償の組織に構造変換する
ことも視野に考えていくべきでしょう。
さらに、コミュニティのあり方について、今後も、対面的関係を基盤とするリアルな
コミュニティを重視するのか、SNSを活用したバーチャルなコミュニティを重視するのか、
活動を支える人たちと、ひざを突き合わせて腹を割って話す時が来ています。
■ほかの自治体の取り組み
□官民連携事業
政治の役割はできる方法を見つけていくこと。例えば、宗像市くりえいと地区、
福岡市東区の千早地区は、長い期間をかけて規制緩和に取り組み、その結果、
今では、ビルや商業施設が多く建ち並び、定住人口は増え、雇用がうまれるなど、
賑わいのある活気ある地域になっています。
また、立地条件がよく似ていることから、岡垣町とよく比較される元気な自治体、
糸島市は、長い年月をかけて海岸沿いの土地の規制緩和に取り組んできました。
その結果、2023年に開業するホテルを民間企業とのコラボで実現しています。
おかがき町は、先進自治体に学ぶべきは学び、地の利を活かした『人が集う』まち
実現のための取り組みが必要だと考えます。
■広域連携の必要性
□あるべきカタチに再構築
岡垣町は、遠賀郡4町の合併が破綻したことをうけて、
自立のまちづくりを展開しています。
また、岡垣町は、慎重かつ丁寧に自治体運営を
してきたことから、大きな弱点は見つからないと
考えられ、現状では、広域連携のメリットは
考えにくいでしょう。
しかし、やがては近隣自治体と助け合い、
支えあいをしながら自治体の運営をする時が来ると
考えられ、まちの政治を担当する人は、保身に走ることなく、
あるべきカタチに再構築していかなければなりません。
